昨日の晩飯はハヤシライス。
カレーはレトルトしか食べない父も、ハヤシは作れば食べる。

先日、前々から欲しかった『森茉莉 贅沢貧乏暮らし』がアマゾンから届いた。
実は、森茉莉の小説は(たとえば『恋人たちの森』『甘い蜜の部屋』など)読んだ事はないのだが、彼女のエッセイ集『私の美の世界』を高校生の時に読み、なんてお耽美なばあさんなんだろうと、驚愕しつつも好きになっていた。
『私の美の世界』には、森茉莉のライフスタイル(‥‥と言ってしまってよいのだろうか?)の他にも、普段食べていたもののレシピなども載っていて、なかなか興をそそられるものであったのだが、今回発刊された『貧乏贅沢くらし』には、そのレシピが再現されているのがミソである。
食いしん坊だった(らしい)森茉莉本らしく、本書の80%は食べ物の話である。中にはトリビアにも出された「鴎外の饅頭茶漬け」も載っている。
あまりネタバレすると興を削ぐので、これくらいにしておくけど、この本によって、如何に森茉莉が素っ頓狂な性質の持ち主であったか、しかし、全くもって愛すべきばあさんであったことがよく知れると思う。お嬢様育ちは間違いないのだが、長じてからも結構苦労をしているし、また周囲の人が「この人は何かと世話を焼いてあげなくては」イケナイと思わせるオーラを感じさせてしまうその人となり。森鴎外の娘という冠が無ければ、ここまでかまってもらえるばあさんもいないとは思うけど、それにしたって、この人は周囲の人に庇護感覚を催させる稀有な人でしょう。
私的に面白かったのは、巻末に載っている昭和35年当時の下北沢駅前の地図。現在のものと見比べると中々興味深いものがあります。

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